京都 妙覚寺道場に訪問




京都のある町の風情漂うお寺の一角に

その道場はありました。

四月の終わり、桜の見頃は過ぎていましたが、体育館とは違う風情漂う、古き良き日本を思わせる道場

妙覚寺道場は、長い歴史を持つ妙覚寺のお寺の中にあります。

お寺の中にある道場として、

京都の中でも長い歴史を持つ

妙覚寺道場

その稽古、歴史、道場方針などを取材させていただきました。

妙覚寺について

妙覚寺は京都市の上京区にあり

大変長い歴史あるお寺です。

日本の歴史の教科書にも出てくる

「本能寺の変」で織田信長が殺されたとき、

豊臣秀吉の弟である秀長が休みを取っていたとされるお寺だそうです。

そんな歴史の長いお寺の中にある道場は、やはり風格があります。

この道場の風格に憧れて入門される方も多いそうです。

また道場の風格もさることながら、お寺に植えたられた草花が季節を告げてくれるのも風情があります。

「妙覚寺」の画像検索結果

挨拶と基本がすべて

現在、妙覚寺道場では清水秀男先(教士七段)が道場長を務めていらっしゃいます。

まずは「挨拶・礼法」を徹底的に指導し、

剣道も「基本、とにかく基本がすべて」というぐらい、礼法と基本を徹底していらっしゃいました。

訪問させて頂いた日は、級審査の前日であったため、基本形の稽古をしていましたが、

細かな動作においても徹底的に確認する先生と道場生の皆さんの姿が印象的でした。

妙覚寺の黙想風景。稽古の前後に手を前に合わせ心を整える。

妙覚寺は日蓮宗のお寺のため、上座には日蓮大聖人の像が安置されている。

厳しくも温かい清水先生

現在道場長を務める清水先生は、2代目としてこの道場を運営されています。

昭和57年より妙覚寺の二代目道場長として指導にあたる清水先生。70歳を過ぎた今でも竹刀を握らない日はないという

先生は「子供と剣道が大好き」で、剣道する時間をとるために会社勤めをやめ、個人タクシーの運転手に転身して、この道場を守ってきたそうです。

ー先生の生い立ちー

清水先生:「私は七人兄弟の末っ子でしたが、2歳半で父親を亡くし、養子に出されましたが、小学校6年生の時に、今度は養子にしてくれた父親を亡くし、孤児院に入りました。」

筆者:「今の時代では考えられないようなことですね。」

清水先生:「しかし、その孤児院で剣道に出会い、剣道を始めることができました。当時はまだ戦後の【剣道禁止令】が解かれていなかったので竹刀競技と呼ばれていましたが、そこで剣道に出会ったことで、私自身それが心の支えになり、強くなることができました。」

筆者:「運命的な出会いだったんですね。」

清水:「その後、18歳で孤児院を出て自衛隊に入りました。厳しい訓練もありましたが、剣道で鍛えたおかげ大丈夫でしたね。私は習志野第一空挺隊に5年間いました。」

*第一空挺隊とは、陸上自衛隊の団の一つで、特殊作戦群が創設されるまでは陸上自衛隊唯一の空挺部隊で、ここに入るには厳しい適正検査や体力検査に合格しなければならないと言われている。陸上自衛隊の超エリート部隊の一つ。

先生は除隊後に、数年鹿児島で剣道を指導されたそうですが、縁あって京都に移り住み、妙覚寺で指導を始められたそうです。

本堂の廊下からのスタート

今現在の妙覚寺の道場は、小さいながらも風格のあるものですが、

始まった当初はなんと【お寺の本堂の廊下】で稽古をしていたそうです。

清水先生:「本堂の廊下は狭かったですし、冬になれば雪が積もりました。それでも稽古ができる場所があるというのは本当にありがたいの一言でした。」

現在の道場が完成するまでの間に、ベニヤ板での青空道場もあったそうで、雨や雪に降られながら稽古していた時代もあったそうだ。

清水先生:「現在の道場は私たちの熱意を受け入れてくださった、妙覚寺の住職さんのお陰で、建てさせていただいたものです。今でも応援していただいていますし、我々としては感謝の気持ちを込め、道場生全員で、お正月やお盆にはお参り、お寺の掃除をさせてただいています。」

とお寺にある道場ならではの事も語ってくれました。

妙覚寺道場生の声

妙覚寺には現在6歳から社会人まで幅広い世代の人が所属しており、

少年部では中学三年生の「岸本光希」さんが主将を努めている。

岸本さんは小学校5年生と剣道を始めたのは早くないが、現在は既に二段を取得し、妙覚寺道場少年部のリーダーとして道場を引っ張ている。

岸本:「今は、道場と学校の部活で毎日練習しています。道着と袴の姿がかっこいいと思って剣道を始めました。道場では小さい子をまとめるのが大変な時もありますが、道場生みんなで声をかけあって頑張って試合に勝った時は本当にうれしいです。」

と語ってくれた。

また妙覚寺の先生方について

「妙覚寺の先生は稽古の時はとても厳しいですが、私たちのことをいつも考え見守ってくださっているのがわかります。先生方の指導のおかげで礼儀作法やく挫けない心を学ぶことができました。高校生になっても剣道を続けていきたいです。」

とキラキラした目で話してくれました。

将来の夢は学校の先生になり、剣道部の顧問になることだそう。

今年の目標は全国中学校剣道大会で入賞することだそうです!

頑張ってほしいですね。

妙覚寺道場の稽古

妙覚寺道場は

少年部(6歳~中学3年生) 火・木(午後7時~8時半)

土(午後5時~7時半)

成年部(高校生以上)月・水・土(午後8時~9時)

と少年部と成年部の稽古時間は分かれていますが、

少年部の時間にも成年部の高校生が元立ちに立ち、指導を行い、その後に自分たちの稽古を行う様子が見られ、縦のつながりの強さが感じられました。

多くの道場は中学生で道場は卒業というのが多いですが、妙覚寺では中学卒業後も成年部に所属することができるので、高校生になったOG、OBがよく少年部の指導を行ってくれるそうです。

老若男女関わらず稽古できる剣道指導の理想の形!

成年部の稽古に参加する中学生もおり、道場は毎日熱気であふれています。

剣道は求道

これまで多くの子供たちに剣道を指導してきた清水先生。その中には、複雑な背景を持つ子供たちもたくさんいたそうです。

清水先生:「そういう子供たちに向き合うために、必要があれば子供を家に招いて食事をしたり、泊ったりしながら子供の話を聞いたこともあります。人生にはいろいろなことがありますし、挫折することだってあります。でも私も剣道があったから苦しいこと、つらいこと、貧乏でおなかが空いて曲がりそうになった道も、剣道が修正してくれました。剣道は求道です。人生を作ってくれる道です。そのことを道場に来た子供たちには伝えていきます。」

と人生をかけて子供たちに剣道のみならず、人間としての生き方を伝えてきたことを話してくれました。

妙覚寺道場では随時道場生を募集しているとのことです。

日本文化を感じる素晴らしい道場!熱意のある先生のもと剣道をしたいという方は是非妙覚寺道場に足を運んではいかがでしょうか?

最後に、快く取材をお受けいただきました妙覚寺道場の皆様には心から御礼申し上げます。ありがとうございました。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする